赤い瞳、
白い体、
鋭い牙、
鋭い爪、
長い長い耳、
まるいまるい尻尾、
兎の手元には、予定の時刻から過ぎていることを
知らせている、時計。
兎、無い道を走って目的地へと向かう
アリスはその兎が、現在(今)が、幻と知らずに
兎の後ろ姿を追う、走る、向かう
そして、手を伸ばした。
その瞬間、兎が振り向いた
アリスは、その光景を疑った。
兎の赤い瞳が蒼く、澱んでいた。
その瞳から、透明の雫がポタポタと、
落ちていく。
アリスには、その雫がスローモーションのように
ゆっくり、ゆっくりと落ちていく、頬をつたっていく
最初の雫が地面に、落ちた瞬間....
アリスは目を覚ました。
=fin=
kichi
※忠告 コピーなどは絶対にダメです。
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