僕の目の前には、
大きな壁のように聳え立つ、
シルエット。
音のない真夜中に
音をたてて、
腐食されてく、この心。
厚い雲によって閉ざされた今宵月
雲の切れ間、
探してる君。
三日月の下
僕の前には、兎のような瞳をした君。
僕は咄嗟に手を伸ばした。
気付けば、一人。
君の姿は見当たらない。
あぁ、また
闇のような音をたてて、
腐食していく、この心。
一瞬でも、触りでもすれば
粉々に消え散ってしまう。
満月の下
君は、
粉々に散った片を必死にかき集めていた。
------紅い瞳から、雫を流しながら。------
fin
※忠告 コピーなどは絶対にしないで下さい。
kichi
PR
COMMENT